産業医のステップアップとして、産業衛生専門医という資格取得を考えるとき、そのルートの一つが産業衛生専攻医です。
産業衛生専攻医になるためには試験があります。
ここでは、その受験に関する情報をまとめてみました。
情報がなかなか見つけにくいものでしたので、今後どなたかが受験を考える際の参考となれば幸いです。
産業衛生専攻医資格試験を受験するためには、以下のすべてを満たしている必要があります。
初期臨床研修の修了若しくは相当する臨床医学の経験を有していること
産業医学に関する基礎研修を修了していること(以下が該当)
(ア) 日本医師会認定産業医制度基礎研修会の修了
(イ) 産業医科大学産業医学集中講座の修了
(ウ) 産業医科大学産業医学基本講座の修了
(エ) 産業医科大学医学部卒業および産業医学総合実習の修了
(オ) 労働衛生コンサルタント試験に合格した者で、その試験の区分が保健衛生であるもの
(カ) 学校教育法 による大学において労働衛生に関する科目を担当する教授、准教授又は
講師(常時勤務する者に限る。)の職にあり、又はあった者日本専門医機構の認定する専門医資格を有する者(2017年4月以降に初期臨床研修を終了された方のみ)
産業衛生専攻医資格試験についての具体的内容です。
1.実施回数は年2回
・5月:日本産業衛生学会の学術大会の開催地(学会場内の会議室)
・11月:東京(2024年は八重洲の貸し会議室)
2.実施方法は正誤式100問、1時間
・マークシート式ではなく、配布された紙に黒色鉛筆または黒色ボールペンを用いて、自分で○か×を記載
3.合格基準は70点以上
4.テスト勉強は過去問を必ず解いておくこと
・2018年以降の過去問は学会ホームページに掲載されています。
・受験当日の会場でも専門医制度委員会の方から、「過去問は勉強してきましたね?していない人はいないですね?」と発言されていました。
・試験終了後に問題用紙は回収され、5月の試験問題は秋の試験が終了するまで掲載されません。
専攻医試験は過去のプール問題から多く出題されます。過去問の正誤表は公開されていませんので、自力で過去問を丁寧に解く必要があります。
産業衛生専門医を取得する道は2つあります。
①産業衛生専攻医試験合格後に最低3年間の実務研修をつみ、指導医に認定を受けた9単位をそろます。こちらは最低でも3年間かかるコースです。
②社会医学系専門医試験合格後に最低1年間の実務研修をつみ、指導医に認定を受けた9単位をそろえます。こちらは最低でも社会医学系専攻医の3年間とあわせて4年間かかるコースになります。
産業衛生専門医を取得するには、産業医としての実務を積んだうえで最低でも3年間はかかるよう設計されています。
このため、産業衛生専門医は初期臨床研修2年と合わせて医師免許取得後5年以上が経過することになります。
産業衛生専門医は産業医としてのスペシャリティを高めるものであり、取得しなくても実務に影響することはありません。
産業医として質を高めたいと考える際に一つの方法として産業衛生専攻医資格を取り産業衛生専門医を目指す道もあります。また、専攻医として修練を積む際には、自力で指導医を探し出すことへの高いハードルもあります。
産業衛生専門医に興味はあるが、どうすれば指導医とつながることが出来るのか分からないときは弊社にご相談下さい。