この資料は、2022年10月に実施された産業保健のあり方検討会・第1回参考資料1から抜粋したものです。
労働安全衛生法によって、常時50人以上の労働者を使用する事業場には、衛生管理者と産業医の選任義務があります。この法を遵守しなかった場合は50万円以下の罰金が課されます(安衛法第120条)。
一方、保健師については、職場において法で定める選任義務といったものはありません。
また、職務内容の面にも両者は大きく異なります。
産業医の役割は労働安全衛生規則第14条と第15条で細かく規定されていますが、保健師の役割は明記されていません。
保健師を事業場の衛生管理者として選任できるために、衛生管理者の業務が保健師業務であると混同されることがしばしばあります。
↓↓産業保健のあり方検討会第1回目・参考資料1↓↓
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-roudou_558547_00014.html
この資料は、2018年3月に報告された、2500名を超える医師へのアンケート調査の結果です。
これによると、産業医の約8割は病院や診療所に主に従事し、産業医活動は副業だそうです。
また、このような非常勤産業医の75%が、一回あたりの訪問時間は2時間以内と回答しました。
当社の経験から、実際にはほぼ「月に1回、1~2時間の訪問」を指すものと推測します。
↓↓産業医の事業所に対する助言、指導、勧告に関する実態調査報告書 ↓↓
https://uoeh-u.repo.nii.ac.jp/records/665
「月に1回、1~2時間の訪問」の非常勤産業医契約の場合、以下のような時間配分で行われることが多いです。
①安全衛生委員会への出席:0.5~1.0時間
②職場巡視:0.5時間
③健康相談:0.5~1.0時間
ときに健康診断後の就業上の措置判定
この資料は、2022年10月に実施された「産業保健のあり方検討会第1回」の参考資料1から抜粋したものです。
前述のように、嘱託産業医の短い訪問時間では、法定業務となる職場巡視や一般健康診断の結果確認、衛生委員会への出席が優先され、作業環境や作業内容等の把握や指導は後回しにされがちであることがわかりますね。
↓↓産業保健のあり方検討会第1回目・参考資料1↓↓
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-roudou_558547_00014.html
しかし、職場が産業保健に求める役割は、月1回の法定業務だけではカバーしきれないほど多岐にわたっています。
多様な人材を受け入れて誰もが働きやすい職場環境づくりを進めるには、
障害や病気を抱えながら働く労働者への支援
健康教育
作業環境や作業内容等の把握・指導
など、医学知識を背景にした様々な活動も重要です。
「産業保健のあり方検討会」では、このような形での職場の健康づくりに関して、保健師の貢献が期待されています。
職場をよく把握した保健師がいることで、相乗効果的に産業医を有効活用できると考えられているのです。
産業医を有効活用するために、保健師のスキルアップが必要だと感じた際は、弊社へご相談ください。