この資料は、2022年11月に実施された「産業保健のあり方検討会」の第2回資料2から抜粋したものです。
↓↓産業保健のあり方検討会第2回・資料2↓↓
https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/001010932.pdf
同2022年に厚生労働省が出している統計によると、医師の届け出数は34万人でした(医師・歯科医師・薬剤師統計の概況より)。
死亡したり資格を失効した産業医を除いた日本医師会認定産業医の資格有効者数が7万人であることを考えると、医師の5人に1人は産業医資格を有していると考えられます。
産業医のスキルアップのための研修は色々と用意されています。
一番の基本が、日本医師会認定産業医の資格更新に必要な5年ごとに20単位です。この単位を集める研修への参加も、産業医スキルアップ研修の一つとなります。
日本医師会が主催するもの以外では、無料なものとして都道府県産業保健総合支援センター(さんぽセンター)が開催しているもの、有料のものとして中災防や産業医大が実施しているもの等があります。
法律関係の詳しいセミナーは日本労働安全衛生コンサルタント会や日本産業保健法学会があります。
日本産業保健法学会は2分ほどのe-ラーニング・ダイジェスト版があるので参考に研修受講時の参考としやすいです。
参考までに弊社代表らが参加したことのある研修へのリンクを右記にお示ししています。
これ以外にも調べると色々ありますので、ご自身に必要な研修を探し出して参加していきましょう。
産業衛生界隈で最近の旬な話題や活動を学ぶのであれば、学会への入会を推奨します。入会者には学会誌が送付されてきますので目を通すことで旬な活動に触れることが可能です。最初に入会されるのであれば、まずは日本産業衛生学会への入会です。産業医部会などの部会や、他の学会への入会は徐々に必要時入会していくスタイルで構いません。
年に1~2回開催される学会への活動へ参加できれば知識研鑽だけではなく、産業保健に関わる様々な方と繋がることが出来ます。ネットワーク形成は産業保健に携わる時にとても大きな力となりますので、ご自身の業務とぜひ調整をつけて参加してみて下さい。産業衛生学会であれば、学会参加ビギナーのための交流会を学会が開催しています。
(2024年の広島開催時は木曜日と金曜日、いずれも16時頃から学会参加者用のおひとりさま参加歓迎交流会イベントが開催されました:図参照)
学びが増えるとさらなるスキルアップを検討したくなります。
そんなときに思いつくのが資格取得です。では、どのような資格があるのでしょうか。
①労働衛生コンサルタント(国家資格)
厚生労働大臣が「労働衛生のスペシャリスト」と認めている資格です。
コンサルタント資格試験は筆記と口述の2段階で選抜され、最終的な合格率は3割ほどという結構な難関資格。
現在コンサルタント会に所属する労働衛生コンサルタントは約1600名です(2024年12月時点)。
医師でなくても労働衛生コンサルタントになることは可能で、作業環境測定士、保健師・看護師、労働衛生業務経験のある会社員なども
ちなみに、産業医を持っていない医師が労働衛生コンサルタントを取得すれば、日本医師会認定産業医でなくとも産業医として仕事をすることができます。
②産業衛生専門医(学会認定資格)
日本産業衛生学会が産業医の質を担保するために行う専門医制度です。
学会に入会し、産業医としての研鑽を積んだ上で資格試験に挑みます。
筆記と口述試験があり合格率は明らかにされていません。
現在産業衛生専門医は約700名です(2024年9月時点)。
産業医が次に取る資格としては、他にも、社会保険労務士、産業保健法務主任者、産業カウンセラー、キャリアコンサルタント、健康経営(エキスパート)アドバイザー、作業環境測定士などもあります。
自身が産業医として経験を積みながら、さらなるスキルアップの一つの目安として資格取得を考えていくのも、勉強のメリハリがついて良さそうです。
労働衛生コンサルタントや産業衛生専門医の取得の仕方、勉強方法について悩んだら弊社にご相談下さい。
産業保健専門職が専門性を発揮できるよう、共に学びスキルアップを行うことも弊社は支援しています。